ごうけいほうもんしゃすう

公園に設置された自衛隊のテント、その後設置された仮設住宅

3.11定点観測写真アーカイブ・プロジェクト 公開サロン @考えるテーブル 2012年9月22日

語り手:籔内しずかさん/進行・聞き手:佐藤正実さん(NPO法人20世紀アーカイブ仙台)

■地震直後の職場内

地震直後の職場内

2011年3月11日 15時02分 宮城県仙台市太白区長町南

[薮内さん(以下、薮)]地震直後の職場の様子です。14時46分に地震があって、この写真を撮ったのは15時02分です。これを一番最初に撮った1枚目として、おそらく半年間で3,000枚から4,000枚くらいの写真を、仕事関係の震災の記録として撮りました。中央に倒れているのは図面ケースなんですが、相当な重さで、目の前の席の職員は丁度休みだったので、誰も怪我することなく大丈夫でした。この奥にカメラがあったので、このケースを乗り越えて、持ってきて撮りました。

■自衛隊テントから仮設住宅へ

公園に設置された自衛隊のテント

公園に設置された仮設住宅

(上)2011年3月15日06時30分/(下)2012年9月22日07時16分
宮城県仙台市宮城野区扇町4丁目

[薮]これは扇町四丁目公園です。自衛隊のテントが設置されていますが、今では、下の写真のように仮設住宅が建っているところです。3月14日の夜に初めて家に帰りまして、震災後の初めての自転車通勤は15日の朝でした。通勤途中になんとも不思議な光景に感じて撮りました。

■踏切手前で車両が停車したままの東北本線〜平常運行状態

停車したままの東北本線車両

「通常の東北本線車両」

(上)2011年3月15日07時31分/(下)2012年09月22日07時16分
宮城県仙台市若林区文化町17区画付近

[薮]南小泉を抜けたところにあるJR東北本線の踏切です。震災後、ずっと電車が止まったままの状態でしたが、この位置で停まってくれたおかげで、電車が道を塞がずに踏切が開いていました。なぜそう考えたかというと、遡ること4年前の平成20年、大きい地震(岩手・宮城内陸地震)があったときに、電車が同じ踏切の真ん中で停まっていて、ここまで自転車で来たのに通れなかったという思い出があったんです。今回は遠回りをしなくていいんだなってこの時思ったような気がします。この後、新幹線が止まっているところも見ることになるんですが。すべてのものの時間が止まっているような変な感覚がしました。

■自転車で震災後初出勤

自転車通勤中

2011年3月15日 宮城県仙台市太白区長町1丁目付近

[薮]その後、南小泉から河原町を通って長町に抜けて通勤しました。この写真は、なぜ手を撮ったのか覚えてないんですが、おそらく、手袋をもっていなくて軍手が嫌だなと思って撮ったのだと思います。

■道路陥没で徐行運転する車

道路が陥没しているため徐行して走る車

2011年3月15日 宮城県仙台市太白区長町1丁目付近

[薮]道路が凸凹していました。

[佐藤さん(以下、佐)]この写真は道路が陥没しているから車が徐行して通っているところですよね?

[薮]そうなんです。みなさん徐行しながら通っていました。

[佐]長町は陥没している道路がかなりあったと思います。地盤が弱いのか、水浸しになったり、道路が波打っている様子が見られましたね。

■震災当日パトロールした太白区役所周辺と工事中の南部アーチル仙台〜そして1年半後

震災当日、太白区役所周辺を徒歩でパトロール

「震災から1年6ヶ月後の南部アーチル仙台」

(上)2011年3月11日15時23分/(下)2012年09月22日07時53分
宮城県仙台市太白区長町南3丁目

[薮]これは、震災当日の15時23分に撮った写真です。区役所の4階から一階に避難した直後に、付近を徒歩でパトロールしました。工事現場の方が外の道路に出てきて、建物をみんなで見守っているところです。今は下の写真のように施設が完成して、南部アーチル仙台(発達支援相談センター)になっています。

*この記事は、2012年9月22日にせんだいメディアテークの考えるテーブルで行われた『3.11定点観測写真アーカイブ・プロジェクト公開サロン「みつづける、あの日からの風景」』で、籔内しずかさんがお話された内容を元に作成しています。


当日の様子はこちらからご覧いただけます。
《考えるテーブル レポート》→http://table.smt.jp/?p=1278#report


【3.11定点観測写真アーカイブ・プロジェクトとは】
このアーカイブ・プロジェクトは、東日本大震災で被災した宮城県内各市町の震災直後の様子、および震災から定期的に定点観測し復旧・復興の様子を後世に残し伝えるために、市民の手で記録していくものです。これから市民のみなさまから記録者を募っていくとともに、その情報交換・活動の場を公開サロンとして定期的に行っていきます。これらの定点観測写真は、NPO法人20世紀アーカイブ仙台とせんだいメディアテーク「3がつ11にちをわすれないためにセンター」で記録・公開し、市民参加で震災を語り継ぐ記録としていきます。


NPO法人20世紀アーカイブ仙台
公式Web:http://www.20thcas.or.jp/

【考えるテーブルとは】
人が集い語り合いながら震災復興や地域社会、表現活動について考えていく場を「考えるテーブル」と題して、せんだいメディアテーク、7階スタジオに開きます。トークイベントや公開会議、市民団体の活動報告会など多様な催しを行っていきます。

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せんだいメディアテークでは、市民、専門家、スタッフが協働し、東日本大震災とその復旧・復興のプロセスを独自に発信、記録していくプラットフォームとして「3がつ11にちをわすれないためにセンター」(わすれン!)を開設しました。

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