仙台市若林区荒浜にある荒浜小学校は、海岸から700メートル内陸部に位置します。地震当日、児童・近隣住民合わせて320名の方が学校へ避難しました。
2011年3月11日17時30分からヘリコプターによる救助が開始され、翌日18時には全ての人々の避難が完了しました。
この記事は、先生方が撮られた荒浜小学校や学校近隣の様子、校長先生のお話を基に構成しました。(本ページは、3ページ目です)
※記事内の時間表示は、学校と震災の映像の中で語っている箇所を示すおおよその時間です。
※荒浜小学校の被害状況は、こちらの記事をご参照ください。
■ヘリによる救出再開
3月12日15時に、再びヘリが到着しました。水が引き、近所の工場の基礎部分にヘリが着陸が可能となったため、歩いてヘリまで移動しました。今度は、10分おきにヘリが到着し、18時には、残っていた150名の方の避難も全て終了しました。(35分45秒)
2011年3月12日17時 再開されたヘリによる救出
■無事だった卒業証書
ヘリにて霞目駐屯地内の体育館に避難した後、3月16日には蒲町中学校の避難所へ移動しました。その後、子どもたちの安否確認や今後の学校運営についての会議が連日行われました。
そして、3月24日に若林区役所にて卒業式を実施することが決まります。卒業証書は震災前から学校に保管されてましたが、学校へ戻ることは不可能だと思い、新たに臨時の小さい卒業証書を作成しました。しかし、「もしかしたら卒業証書は無事かもしれない」ということになり、教頭が代表となって学校まで取りにいくことになりました。金庫の中を開けてみると、金庫の中にも水が入っていましたが、卒業証書の棚までは来ていませんでした。卒業式当日は、本物の卒業証書を卒業生に渡すことができました。(40分55秒)
■学校の再開
撮影日不明 震災前に撮影された、荒浜小から見た蔵王連峰
現在、荒浜小学校は、区をまたぎ宮城野区にある東宮城野小学校の校舎を間借りして授業を行っています。親戚の家へ引っ越したり、学校が遠くなり通学できなくなった子どもたちもいたため、生徒数は震災前の3分の2に減ってしまいました。(2011年8月25日現在)
それでも、子どもたちが再会できたこと、学校に子どもたちが居ることが嬉しいです。(54分51秒)
【関連映像】
【学校と震災】仙台市立荒浜小学校
【経路研究所】ケース@仙台市立荒浜小学校