【放送後記】放送日時:2012年8月14日(火)20:00〜21:00
*この記事は、『リアルふっこうボイス 第17回「福島県桑折町のこえ 第2」』のユーストリーム配信終了後に、まちづくり部のメンバーが放送を振り返ったレポートです。 震災から1年半を迎えたこの日の放送では、桑折町で町民とともにまちづくりに取り組む東北大学都市・まちづくり研究会の学生2名を迎えて、2012年9月に新たに記録したこえを放送しました。
現地と移転、宮城野と若林
16回目の配信は「仙台のこえ第2」をお送りしました。現地再建を希望する方、移転再建を希望する方、そして津波による被災はないが地震によって被災をされた方、計5名のこえをお聞きいただきました。宮城野区と若林区のどちらの方もいらっしゃいましたが、復興に向けた取組みが大きく異なるようでした。
[第16回仙台のこえ第2:15:00頃]
独自の支援策
仙台市は災害危険区域の指定範囲を復興計画中間案から変更、縮小しています。そして災害危険区域から外れた地域においては、移転再建と現地再建のどちらを選択しても独自の支援策によって市から補助が出ることになっています。こうしためまぐるしい状況の中で仙台市の説明会が数多く重ねれてきました。果たして、住まいを選択する上でどちらの支援の方が手厚いのか、という判断材料が決定打となってしまうことが、まちにとっていいことなのでしょうか。
[第16回仙台のこえ第2:55:00頃]
ひとりひとり
どのように生活の再建を進めるか、そのための判断材料が増えてきており、住民はそれぞれ個人としての選択が迫られる段階になってきています。「迷っていても判断するのは自分」という葛藤も聞こえてきました。写真では既に個別で宅地のかさ上げが見られましたが、今後もそれぞれが個人の判断をしていった場合、例えば隣近所でかさ上げの高さが異なってしまったり、歯抜け状態のまちができてしまったりしないでしょうか。ひとりひとりができること、やるべきことが見えてきたときに、具体的にまちをどうつくっていくのかをもう一度考えなくてはいけないと思いました。
[第16回仙台のこえ第2:60:00頃]
【配信を通して】
「せっかくだから、この際だからよりよいまちにしよう」という話を震災後に色々なところで耳にします。関東大震災後にも「此際〈コノサイ〉」という言葉が流行したそうです。コノサイ(=この機会)だから、チャンスだからという意識が強くなるあまりに、何が「よりよいまち」なのか、ことが目的でなくなってしまう危険性を感じました。(まちづくり部 田川)
放送内で紹介した写真(6月の仙台)
01.東から見た若林区井戸地区(2012/6/30) 県道塩竈亘理線を南から車で進んできた写真。井戸地区東浦。松林のおかげで家が流されずに済んだ。
02.東から見た海岸公園冒険広場(2012/6/30) 県道塩竈亘理線から見た海岸公園冒険広場。15~16mの小高い丘になっている。ここで津波を逃れたという方もいた。
03.東から見た若林区荒浜地区(2012/6/30)
荒浜の二部谷地。農家の方々が営農を始めている。ガレキの処理施設が遠くに見える。
04.再開した宮城野区新浜地区の照徳寺(2012/6/30)
新浜のお寺。壊れてしまっているが、どうにか復旧しようとしている。お墓参りに訪れた家族の姿も見られた。
05.宮城野区新浜地区のバス通り(2012/6/30)
新浜。左側に写る家はまだ修復が済んでいないが、中央の家はフェンスも綺麗になっていた。
06.生活感のある宮城野区南蒲生地区(2012/6/30)
南蒲生地区。洗濯物が干してあり、人が住んでいる。家先で畑をいじっている人も見られた。
07.宮城野区南蒲生地区で再開したハウス(2012/6/30)
南蒲生地区。早い段階で家の修理を行い、ビニールハウスで農作業を行っている。
08.宮城野区南蒲生地区のかさ上げされた宅地(2012/6/30)
南蒲生地区。県道のすぐ近くの地区。約2m嵩上げした土地。個別で嵩上げがされている。
09.移転先ごとの防災集団移転促進事業に関する説明会-1(2012/6/6)
移転先ごとの防災集団移転促進事業に関する説明会会場。
10.移転先ごとの防災集団移転促進事業に関する説明会-2(2012/6/6)
会場の中の様子。仙台市職員の方々から約1時間説明、その後質疑応答。
11.移転先ごとの防災集団移転促進事業に関する説明会(2012/7/2)
南蒲生の岡田会館。
町内会の中で結成された、復興まちづくりを考える会(復興部)の会合の様子。
仙台市の職員から市の事業の説明を受けたり、ワークショップを行ったりしている。
リアルふっこうボイス ウェブサイト
http://sites.google.com/site/fukkovoice/
※本映像はUstreamで放送したものをYoutubeでアーカイブ配信しています。