さぐばという水上の作業場は、人の住む場所の傍で、そして人の手で、作ることが出来きました。さぐばを浮かべるのは、漁師に大工です。大工を支えるのは、山師に鍛冶屋です。手仕事の現場では、ものを作る人よりも先に、ものを作るための道具や素材を作る人から数が減っていったそうです。
さぐばを再建された舟大工の岩石棟梁は、津波にのまれた自身の工場から道具を見つけ出し使っていました。少し錆びの入った鋸(のこぎり)を触りながら、摺り合せ鋸を打てる鍛冶屋さんがもう居ないと言っていました。舟釘も広島から取り寄せ、鍔鑿(つばのみ)は函館から取り寄せたと言っていました。
これは、大型の復興土木事業と並行して行われていた、舟を手で作ることの記録です。
本作品の全編をDVDでご覧になることができます。詳細はこちら→DVD情報「さぐば」