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〈終了〉震災と暮らし − 震災遺産と人びとの記録からふりかえる −

ふくしま震災遺産保全プロジェクトアウトリーチ事業 「震災遺産を考えるIII」仙台セッション

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【開催趣旨】
 2011年の東日本大震災は、私たちの暮らしに大きな影響を及ぼしました。見慣れていた日常が変化し、体験したことのない生活に直面することもありました。私たちはこの経験をどのように共有し、後世へと伝えていけば良いのでしょうか。
 「ふくしま震災遺産保全プロジェクト」は、震災によって生まれたさまざまな物や出来事を歴史として次世代に伝えるべき震災遺産と位置づけ、2014年度より資料保全や普及活動を実施してきました。今回のアウトリーチ事業「震災遺産を考えるIII」は、福島県外では初めてとなる宮城県仙台市での開催です。
 会場となるせんだいメディアテークでは、2011年5月3日という震災間もない時から、震災に向き合い考え、復旧・復興への道のりを歩き出すために「3がつ11にちをわすれないためにセンター」(略称:わすれン!)を始めました。「わすれン!」では、市民らと協働し、復旧・復興のプロセスを記録、発信していくためのプラットフォームとして、参加型のアーカイブ活動に取り組んできました。
 今回の企画では、「ふくしま震災遺産保全プロジェクト」が調査・収集してきた物や写真と、「わすれン!」の参加者が記録してきた映像・写真等を、震災の中の「暮らし」という視点からふりかえり、震災資料がこれからの私たちの暮らしの中でどのように残り、未来へと伝わっていくのかを考えます。

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【1-展覧会:震災と暮らし】

「ふくしま震災遺産保全プロジェクト」と「3がつ11にちをわすれないためにセンター」の各プロジェクトが収集・記録した資料群をもとに、震災の多様性とこれまでについて暮らしという視点からふりかえります。



会期:2016年12月20日(火)ー25日(日)
時間:10:00ー20:00(初日は13:00から)
会場:せんだいメディアテーク 1f オープンスクエア
料金:入場無料
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イベント:3Dデジタル震災遺構アーカイブ体験
福島県所在の「震災遺構」を、最新技術MRによる3次元バーチャル映像で体験します。
日時:各日 午前の部10:30ー12:00/午後の部13:30ー15:00
料金:参加無料(午前の部は10:00から、午後の部は13:00から整理券を配布します)
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イベント:展示解説ツアー
福島県立博物館とメディアテークの学芸スタッフが一緒に展示会場をめぐります。
日時:各日14:00ー
料金:参加無料/受付前にお集まりください



【2-トーク:残されたものの意味を探る】

両プロジェクトの震災資料や活動を報告します。また、故郷や亡き人を偲ぶための媒体としての写真と記憶の関係について、IZU PHOTO MUSEUMの小原真史氏による講演を行い、残されたものの意味と、それらを残していく活動について考えます。

日時:2016年12月24日(土)16:00ー18:00
会場:せんだいメディアテーク 7f スタジオシアター
料金:入場無料/申込不要/先着順(定員180名)

タイムテーブル:
16:00 はじめに
16:05 プロジェクト報告
 「ふくしま震災遺産保全プロジェクト」内山大介(福島県立博物館 主任学芸員)
 「3がつ11にちをわすれないためにセンター」北野央(せんだいメディアテーク 主事)
16:35 講演「故郷と亡き人を偲んで - 写真と記憶」
 小原真史(IZU PHOTO MUSEUM 研究員)
 こはらまさし:1978年愛知県生まれ。IZU PHOTO MUSEUM 研究員・映像作家。著書に『富士幻景  ―近代日本と富士の病』、共著に『時の宙づり―生・写真・死』『戦争と平和―〈報道写真〉が伝え  たかった日本』ほか。監督作品に「カメラになった男―写真家中平卓馬」がある。
 IZU PHOTO MUSEUM では荒木経惟展、宮崎学展、増山たづ子展、小島一郎展などを担当。
17:15 ディスカッション
 司会:赤坂憲雄(福島県立博物館 館長)
 登壇者:小原真史、内山大介、北野央


【主な展示品】
a_sign《津波被災交通標識》
収集場所:福島県南相馬市小高区

東日本大震災による津波で流され、ガレキの集積所に置かれていた交通標識。村上城跡、貴船神社、海水浴場、キャンプ場、白鳥飛来地など、地元の方ならすぐにわかる思い出の場所がこの一枚に記されています。

b_clock《「ミチ美容室」看板時計》
収集場所:福島県富岡町

JR富岡駅前商店街にあったミチ美容室の看板時計は、地震が発生した2時46分を示したまま現地に取り残され、3年以上が過ぎていました。地震による停電で針が止まり、大きな揺れで軒からはずれ、津波によって泥をかぶっています。


newspaper《配達されなかった新聞》
収集場所:福島県浪江町

震災発生の翌日、2011年3月12日に配達予定だった新聞の包み。広告も挟み込まれ準備が整った状態で新聞店に残されていました。配達員さんが一度は配達に出たものの、原発事故による避難指示を知り持ち帰ったものです。


Adobe Photoshop PDF《3月12日はじまりのごはん パネルNo.28》
2014-15年/協働:3.11オモイデアーカイブ/記録:佐藤寛法

震災時の「ごはん」にまつわる写真を展示し、それらの写真を見て思い出したことなどを、自由にふせん紙に書いてもらう参加型展示「3月12日はじまりのごはん」のパネルから、震災直後の暮らしの様子を紹介します。


after5years iitate《5年目の飯舘村》
2016年3月/福島県飯舘村/記録:林剛平

飯舘村で放射線調査を続けている記録者が、震災から5年目を経た村の様子を撮影した映像や、さまざまな「わすれン!」参加者が記録した震災やその復旧・復興過程の様子などの映像を紹介します。


chikako takahashi bath《浴室 時間が止まった場所》
2012年1月/宮城県仙台市若林区荒浜/記録:髙橋親夫

沿岸部では家の痕跡がその土地に生活があったことを伝えていましたが、復旧工事によりほとんど見ることができなくなりました。そこで家のさまざまな部分を記録した写真群から、家族以外があまり目にすることのない浴室の写真を展示します。


seo natumi flower bed《森の前花畑》
2014年7月19日/岩手県陸前高田市/記録:瀬尾夏美

陸前高田市を中心に移り変わる風景や人びとのことばの記録を続けている映像作家の小森はるかと画家で作家の瀬尾夏美が、2011年からの記録を用いて、そこで見聞きした手向けの花や花畑、暮らす人びとにとっての花の意味について考えます。


h_lights《落下した体育館照明》
収集場所:福島県富岡町

県立富岡高校の体育館に設置されていた照明。バドミントン強豪校の富岡高校では体育館にも競技専用の照明を備えていましたが、地震の揺れでその多くが落下し、体育館は避難所として利用できなくなりました。


mizuaoi《津波被災地に群生するミズアオイ》
収集場所:福島県南相馬市原町区

ミズアオイは国・県の絶滅危惧種Ⅱ類に区分される植物ですが、東日本大震災の津波被災地に出現し、群落を形成しました。津波跡地ではミズアオイばかりではなく、さまざまな絶滅危惧種の繁茂が見られます。


j_convenie《本震翌日のお昼頃のコンビニ》
2016年4月17日/熊本県熊本市/記録:しのとん

「3.11オモイデアーカイブ」は、熊本地震で撮影された写真を収集するプロジェクト「くまもと震災アーカイブ」に協力しています。東日本と熊本という異なる場所で起きた震災において、類似する生活体験を紹介します。(提供・協力:くまもと震災アーカイブ)


k_candle《校舎に残されたろうそく》
収集場所:福島県富岡町

県立富岡高校では校舎が一時的な避難所となりました。停電のため、美術の教材用に学校で準備していた角柱形のろうそくを明かりに利用しました。翌日には原発事故で町外への避難となり、燃え残ったろうそくは昨年資料として収集されるまで残されていました。


OLYMPUS DIGITAL CAMERA《一時避難所になった体育館》
収集場所:福島県浪江町

震災から原発事故による避難までの短い時間に避難所として利用された、浪江町立苅野小学校の体育館。体操用のマットや式典用の椅子などが雑然と置かれ、着の身着のまま避難せざるを得なかった当時の状況がそのまま残されています。



3Dデジタル震災遺構アーカイブ体験:
福島県の被災地でも震災を物語る遺構や震災前の町なみが復興のため消え始めています。東北大学は「ふくしま震災遺産保全プロジェクト」や被災自治体と協力して福島県内の震災被害の様子やそれらを象徴する場所を3Dレーザースキャンやドローンを用いて三次元ポイントクラウドデータ化し、アーカイブしています。これら福島県所在の「震災遺構」を、最新技術MRによる3次元バーチャル映像で体験します。
MR(エムアール)とは:複合現実(Mixed Reality)。仮想現実と現実世界をリアルタイムで融合させる技術。
記録場所:浪江町(請戸小学校・請戸漁協・避難所ほか)、富岡町(JR富岡駅・富岡町災害対策本部跡ほか)など

日時:各日10:30−12:00、13:30−15:00
会場:せんだいメディアテーク 1f オープンスクエア内
参加:参加無料(午前の部は10:00から、午後の部は13:00から整理券を配布します)

・体験可能人数は午前・午後各20名。
・お1人当たりの体験時間は約5分です。
・機器調整のため体験できない場合もあります。
・人によっては3D酔いをすることもありますのでご注意ください。

運営:東北大学総合学術博物館、グローバル安全学トップリーダー育成プログラム、みちのく震録伝


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ふくしま震災遺産保全プロジェクト実行委員会:
東日本大震災を地域の歴史として共有し、次世代に伝えることを目的に、2014年度から活動を進めています。震災によって生じたさまざまな物や出来事を「震災遺産」と位置づけ、調査・収集活動やアウトリーチ事業などを展開しています。
構成団体:相馬中村層群研究会、南相馬市博物館、双葉町歴史民俗資料館、富岡町歴史民俗資料館、(公財)ふくしま海洋科学館、いわき市石炭・化石館、いわき自然史研究会、福島県立博物館

主催:ふくしま震災遺産保全プロジェクト実行委員会、3がつ11にちをわすれないためにセンター
協力:東北大学総合学術博物館、グローバル安全学トップリーダー育成プログラム、みちのく震録伝、3.11オモイデアーカイブ、くまもと震災アーカイブ、両プロジェクトの協力者および寄贈者のみなさま
助成:平成28年度 文化庁 地域の核となる美術館・歴史博物館支援事業(ふくしま震災遺産保全プロジェクト) プリント




【ポスター】
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【チラシ】



問い合わせ:
せんだいメディアテーク 企画・活動支援室
〒980-0821 仙台市青葉区春日町2-1
tel 022-713-4483 fax 022-713-4482
mail office@smt.city.sendai.jp
http://www.smt.jp

[公開 2016年11月19日]
[更新 2016年11月19日]

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センターについて

せんだいメディアテークでは、市民、専門家、スタッフが協働し、東日本大震災とその復旧・復興のプロセスを独自に発信、記録していくプラットフォームとして「3がつ11にちをわすれないためにセンター」(わすれン!)を開設しました。

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