福島県内の新聞には今でも震災・放射線が大きく報じられ、桑折町では30年後の放射線量率を、去年4月の7分の1にする目標が立てられました。まちには浪江町の住民が避難する仮設住宅があり、支援団体と地元商工会が協力し、なにかイベントをする際には一緒になって成功への道を切り開いています。今年度、地域と地域の関係が築かれつつある福島県桑折町の、新たに記録したこえをお届けします。
*番組内の資料に誤字がありましたことをお詫びいたします。[波江町→浪江町]
【放送後記】 放送日時:2012年9月11日(火)20:00〜21:00
*この記事は、『リアルふっこうボイス 第17回「福島県桑折町のこえ 第2」』のユーストリーム配信終了後に、まちづくり部のメンバーが放送を振り返ったレポートです。
震災から1年半を迎えたこの日の放送では、桑折町で町民とともにまちづくりに取り組む東北大学都市・まちづくり研究会の学生2名を迎えて、2012年9月に新たに記録したこえを放送しました。
昨年の放送[第5回福島県桑折町のこえ]でインタビューした方に、今回もお話を聞くことができました。
一年経っての率直な感想をお聞きしたところ、「普通の生活しようってしか考えてないよね」「(放射線量は)測ったって変わんないから測らないすよねぇ」「ストレス溜めたくないから測らないしね」というこえが挙がりました。
[第17回福島県桑折町のこえ第2:18分07秒]
子供たちも前ほどは気にしていないようだということです。また、福島県産の野菜は厳しくチェックされるからむしろ食べているし、家庭菜園も食べているというこえが聞かれました。
[第17回福島県桑折町のこえ第2:1時間10分37秒]
しかし、現状として放射線量はそれほど変わりはなく、また、“福島だから”という理由で、今までであれば行われていたことが嫌がられ、それによる日々の生活への支障もまだまだ感じるということでした。
[第17回福島県桑折町のこえ第2:19分21秒]
これからの桑折町でのまちづくりについて、都市・まちづくり研究会の学生からは、無理に外から人を入れてくるのか、それとも中の人たちで自分たちが充実していると思えるようにしていくのかを考えていくことが大事だ、という意見が出されました。
[第17回福島県桑折町のこえ第2:1時間08分06秒]
部員からも、日々の生活ができている桑折町では、今の生活を充実させていくことが大切ではないか、という意見が出されました。
[第17回福島県桑折町のこえ第2:1時間08分06秒]
また、今回は浪江町から桑折町に避難されている方々のこえも放送しました。みんながぎゅうぎゅうになって住んでいる仮設住宅を「ハーモニカ長屋」と表現しているのが印象的でした。
[第17回福島県桑折町のこえ第2:41分26秒]
将来のまちについて、「シルバーのまちでも構わないんだ」「まちに入りたいんだよね、浪江に入りたいんだよ」というこえが聞かれ、長年生活してきた土地への愛着を感じました。
[第17回福島県桑折町のこえ第2:42分10秒]
宮城県の自治体では昨年のうちに復興計画の策定が済んでいるのに対し、浪江町では今年8月24日に復興計画の中間案がようやく策定されました。復興に向けて、遅れてしまっているというのが現状です。
[第17回福島県桑折町のこえ第2:46分44秒]
【配信を通して】
仮設住宅での生活の長期化が予想される中で、受け入れているまちも一緒になって問題を考えて行くこと、互いの壁を取り払っていくことが大事なのではないでしょうか。
(まちづくり部)
- にちじ
- 2012年9月11日(火)20:00〜21:00
- ばしょ
- せんだいメディアテーク7階プロジェクトルーム
- しゅさい
- まちづくり部
3がつ11にちをわすれないためにセンター
※本映像はUstreamで放送したものをYoutubeでアーカイブ配信しています。