制作者コメント:
震災から2年間、不定期に訪れた被災地の沿岸部(大槌〜南相馬間)で見た風景と、そこで出会った人たちの映像記録
避難所で暮らす人たち、ヘドロをかき分ける男、写真を探す元歌手、墓を片付ける老人、猫を探す老人、庭の手入れをする老人、墓を探す女たち、故郷について言い争う男たち、荒れ地の真ん中で畑を耕す人、墓を修復する人、暗闇の中で友人を待ち続ける男、警察に捕まろうとたむろする少年たち、屋敷の解体を見届ける人、家の跡地の花の手入れをするおばさん……
だだっ広い風景の中での彼らの細やかな作業や表情や佇まい
手の動き・曲がった腰・皺・困った顔・笑った顔・光・ゆるやかな時間
“震災” がもたらしたものをどう捉えれば良いのか? そして、何をもって “復興” というのか?
未だに僕には分からない
監督:
鈴尾啓太
撮影年月日・撮影地:
2011年6月(岩手県大船渡市/宮城県南三陸町・石巻市・名取市/福島県南相馬市)、8月(福島県南相馬市)、9月(岩手県大槌町、陸前高田市)、12月(宮城県女川町)
2012年1月(宮城県気仙沼市/福島県南相馬市)、8月(岩手県陸前高田市)
収録:
96分
制作年:
2013年
【視聴者のこえ】
・“沿岸部の風景”…鈴尾啓太さんのカメラを通して、被災した人々の顔、見事な距離感で人々をとらえていて、その人々の想いがよく伝わってきて、涙がでてきました。今後も、こういう作品を見つづけたいと思います。ご活躍をお祈りいたします。(2013年3月上映会)
・登場人物との距離感が、とても上手だと思いました。確信はないのですが、「自然のもつ二面性」、恵みと理不尽な姿を象徴的に、もう少し画面から語らせてもいいのでは、と感じました。(2013年3月上映会)
・「海は憎まない。津波は憎む。」と言って畑仕事をしていた陸前高田のご婦人の言葉に、ここに生きてきた人の底力を感じました。考えながら手(身体)を動かすということが、仮設に居てはできないのだと、知りました(2017年2月上映会)
・報道とは違い、震災を中心に震災を見せるのではなく、人の生活を中心にすることで、震災が点としておきたことではなく、もっと大きくとらえ難い事象として起きているということが見えてきました(2017年2月上映会)
本作品は、せんだいメディアテーク 2階 映像音響ライブラリー/視聴覚教材ライブラリーにて、貸出・視聴サービスをご利用になれます。
DVDの貸出状況のご確認には、仙台市図書館ウェブサイトの資料検索をご利用ください。
※「ともにある Cinema with Us」東日本大震災、それにともなう原発事故という未曾有の体験と、そこから生まれ続ける課題を改めて見つめ、伝えていくプログラム。映画・映像に何が出来るのかを問い、YIDFF 2011からスタートしたプロジェクトを継続・深化させる。https://www.yidff.jp/2013/2013list.html#p12